特定調停のおさらい2<ポイント>

最後に特定調停のポイントのおさらいです。特定調停の特徴として以下が挙げられます。

 

■比較的利用しやすい

 

特定調停は債務の原因を問わないので、ギャンブルや浪費などが債務理由でも利用できます。そして、個人、個人事業主、法人も問わず申し立てをすることができます。申し立て手続きも法律の知識がなくても問題なくでき、さらには申し立てにかかる費用も安いという特徴を持つ特定調停は、一定の収入のあることが前提ですが、誰もが利用しやすい債務整理方法と言えます。

 

■1カ所の簡易裁判所でまとめて申請できる

 

貸金業者を管轄する簡易裁判所に申し立てる特定調停。債務が複数ある場合は対象となる貸金業者ごとに申立書を作成し、申し立てる必要がありますが、複数ある貸金業者の所在地がバラバラの場合でも一括して1カ所の簡易裁判所で申し立てることが可能です。

 

 

■必ず成立するとは限らない

 

良い点ではないですが、抑えておくべきポイントは、「申し立てが受理されても調停が成立するとは限らない」ということです。受理はされても借入総額、返済計画など申立人の状況を聴取した調停委員が「この状況、条件では成立は難しい」と判断されれば、他の債務方法を勧められますし、相手方が強硬な姿勢で合意に達しない場合は不成立となってしまいます。

 

■引き直し計算により債務が減額される

 

特定調停を申し立てると、簡易裁判所は貸金業者から取引経過を記した書類を取り寄せた上で、利息制限法に沿って引き直し計算を行います。つまりはグレーゾーン金利ではなく、利息制限法の金利を上限として利息を捉え直します。この引き直し計算により通常は債務総額が減額されます。貸金業者との取引期間が長ければ長いほど債務は減る傾向にあります。

 

高い金利で長期間取り引きしていた場合は、債務が半分程度に減額されるケースや極端な場合は無くなるということもあります。
また、場合によっては元本以上の利息を支払っているケースもありますが、特定調停では元本を超える過払い金の回収まではできないので、別に不当利得返還請求訴訟を行う必要があります。

 

 

■強制執行を止めることができる

 

特定調停を申し立てると、貸金業者からの督促や取り立てを止めることが可能になります。これは「事件を特定調停によって解決することが相当であると認められる場合において、特定調停の成立を不能にし、若しくは著しく困難にするおそれがあるとき、又は特定調停の円滑な進行を妨げるおそれのあるときは、申し立てにより、特定調停が終了するまでの間、特定調停の目的となった権利に関する民事執行の手続きの停止を命ずることができる」という特定調停法7条で定められていることに起因します。

 

しかし、調停成立した場合において、その調停内容に基づいた月々の返済を怠ると、調停の効力により、給与の差し押さえ等の強制執行手続きが可能になります。