仮想特定調停 PART5 特定調停に出席する

申し立ての日から1週間後に簡易裁判所から「調停期日呼び出し状」なるものがカリガネさんのもとに届きました。それによると最初の調停日は今日から約2週間後。ついに調停の日が決まり、現実感が湧いてくるのと同時に、「これで返済の目途が立つ」との思いにもなりました。

 

会社へは、どうしても外すことのできない私用ということで今月2日間程休む旨を伝えました。2日と言ったのは、特定調停には最低2日はかかるとのことからです。債権者の数がもっと多いと日数はさらにかかるようです。また、かかる日数は担当する簡易裁判所によって多少の違いがあるようです。

 

そして、そうこうしているうちに最初の調停日がやってきました。この日は担当する簡易裁判所から任命された調停委員と面談してカリガネさんの生活状況や収入状況、今後返済していける金額、債務の事実調査など、詳しく事情を聞かれます。いわゆる事情聴取です。

 

 

ちなみに調停委員は専門的な知識、社会生活上の豊富な知識や経験を持つ人の中から裁判所が任命します。弁護士や会計士、医療関係、不動産関係に従事する人が選ばれることが多いようです。

 

調停1日目のカリガネさん。借金返済の目途が立つという安心感と果たして調停が無事に進行できるのかという緊張感という、相反する2つの心境を伴いながら簡易裁判所へとやって来ました。時間は朝9時30分。

 

簡易裁判所内に入り事務員に確認すると署名をして、調停を行う人が待機する申し立て人控室で待つように言われました。調停は10時からでしたので、時間はまだあり、逸る気持ちを抑えつつ控室でその時が来るのを待ちます。

 

控室で待機する人はカリガネさんの他にも3人程いました。事務員の話では控室は特定調停だけでなく、損害賠償や交通事故など様々な民事調停をする人たちが待つようです。

 

そして10時。ほぼ時間通りに女性の係の人がカリガネさんを呼びに来ました。

 

「はいっ!」

 

調停に懸ける思いを返事に込めるカリガネさん。

 

苦笑をした係の女性に調停室まで案内され入室しました。調停室の中は6畳程度のスペースにスチール製のテーブルと椅子が4脚と、無機質で簡素な小さな会議室のような空間。その中には年の頃は50才位でしょうか? 往年のムード歌謡の歌手を彷彿とさせる年配の男性が1人座っていました。どうやら調停委員の方のようです。係の女性もそのまま調停室に残り、調停室はカリガネさんを合わせて3人に。
「カリガネさんですね?」

 

 

男性の調停委員に名前を確認され、「はいっ。そうです。カリガネと申します。本日は何卒よろしくお願い致します!」挨拶にも調停に懸ける思いを込めるカリガネさん。

 

目の前にある席に着くと、特定調停申立書などのテーブルの上の申請書類に目を通しながら、男性調停委員に現在の生活や仕事の状況、債務額、今後現実的に可能な月々の返済額などを聞かれました。これは提出した書類に記入していることなので、申し立てた内容の確認という感じです。

 

テーブルの上には、消費者金融会社4社から簡易裁判所へ送られてきた取引明細書が置かれており、利息制限法による利息の引き直し計算もされていました。調停委員の話では、計算上では総額210万円の債務が150万円程度になるとのこと。実に60万円の圧縮です。

 

「おお。引き直し計算ありがとう。というかグレーゾーン金利が高かかったのか。グレーゾーン金利のアホ!」と、心の中で「計算」に感謝し「利息」に毒づくカリガネさん。そして、今後の月々の返済額も3年程度で完済するとして約4万円強という額に落ち着きました。想定していた額とそう変わりはなく、4万円程度ならカリガネさんの現在の収入でもなんとか可能な額です。ちなみに、3〜4年程度での返済が難しいほど借入額が多額な場合などはこの段階で個人再生や自己破産など、他の整理方法を勧められてしまうケースもあるようです。

 

もちろん、相手側の意向もあるので決定ではありませんが、希望の光が見えてきたカリガネさん。

 

その後、出席することが原則だが消費者金融会社は電話で済ますことが多いことなどを男性調停委員から聞きながら、次の調停日を10日後ということに決めて1日目の調停日は終わりました。

 

簡易裁判所を出たカリガネさん。時間にすると小1時間程度なのに、どっと疲れが出てきました。

 

「疲れたけど、事情聴取日は無事に終わってよかった。だけど本番は2回目の調停日だ。頑張るぞ!」心地よい疲労と次回の調停日への意欲を強めるカリガネさんでした。