仮想特定調停 PART2 債務整理を考える

立派な多重債務状態でも、元々、根は真面目なカリガネさん。毎月の返済の遅延はありませんでした。契約社員で転職が多いという不安定な状況のなか、主に次の就職先を探す期間の生活費として借入を重ねていました。月々の返済はしっかりと続けていましたが、減るのは利息分のみで借入金元本はいっこうに減って行きませんでした。

 

しっかりと返済は続けているため、消費者金融会社から督促などはありませんでしたが、このような状態では経済的だけでなく、精神的にも不安で仕方がありません。カリガネさん、ついに債務整理を検討し始めました。

 

債務整理の方法を調べ始めたカリガネさん。まず思いついたのは「自己破産」。その響きはかなりネガティブかつヘビーです。

 

「僕が自己破産?……。」

 

 

まさかとは思いながらもインターネットで「自己破産」について調べましたが、その対象となる人は、「返済不能な状態にある人」で概要は「財産を処分し、相手方に弁済することで借金等債務を消滅させることができる法的手続き」とあり、借金の規模がもっと大きく、他の債務整理方法が難しい場合の最後の手段のようです。

 

インターネットで調べるうち、次に出てきたのが「個人再生」。一定の要件を満たせば「持ち家を処分することなく、住宅ローン以外の借金を整理することができる」と書いてあり、自己破産よりは幾分マイルドな感じです。もう少し読み進めると、対象となる人に「住宅ローンや担保等のある資産を処分することで弁済できるものを除く、債務の総額が5,000万円未満の人」とあり、しかも費用が「弁護士費用として30万円〜60万円程度」と高額。どうやら、自己破産までは行かないが多額の借金があり、債務整理の上で持ち家の処分を免れたい人が利用する方法のようです。

 

その次に出てきたのが「任意整理」。インターネットのサイトのページに目を通すと、「過払い金」や「債務圧縮」の文字が。どうやら弁護士や司法書士を通して、債権者へ借金の減額や合理的な支払い方法の変更を交渉する方法のようです。

 

「おっ、これなら借金の額など関係なさそうだし、過払い金で借入元本を減らすことが出来るみたいだ。しかも弁護士や司法書士に任せておけば安心だし」

 

「任意整理」を本格的に検討し始めたカリガネさんでしたが、次の一文でトーンダウンです。「おおよその費用は、弁護士報酬の場合5万円から50万円の着手金と減額報酬。司法書士報酬の場合、2万円から30万円の着手金と減額報酬」とあります。

 

「う〜ん、報酬の幅が大きいし、ちょっと高いな〜。しかしこの方法しかないかなあ。でも弁護士や司法書士の当たり外れもありそうだしなあ」悩みながらもカリガネさん、もう少し情報を集めてみます。

 

 

最後に行き着いたのが「特定調停」。耳慣れない言葉ですが、その内容は、「弁護士や司法書士でなく、自分で簡易裁判所へ申し立てをし、借金の減額や合理的な支払い方法を図る法的手続き」とあり、なるべく費用をかけずに債務整理をしたく、比較的時間には余裕があるカリガネさんにマッチしたものでした。

 

「債務整理の内容は『任意整理』とほぼ同じで、弁護士、司法書士に委任するか自分でやるかの違いくらいか。しかも費用は数千円で済むみたいだし。この方法が一番良いな。自分で申し立てるというのが不安だけど、背に腹は代えられないし、ひとつやってみるか」
カリガネさん、どうやら債務整理の方法を特定調停に決めたようです。

 

特定調停は、「支払い不能までにはなっていないが、このままではいずれ不能に陥ってしまう」といった状況にある債務者を救済する目的で成立した制度です。債務を圧縮して返済を継続していくことが前提なので、「継続して一定の収入のある人」が条件となります。

 

また、利用可能な目安として、利息制限法で利息を再計算し、引き直した債務の総額を3年間程度で分割返済できるかどうかとなります。これらのことからも特定調停はカリガネさんの状況に適した債務整理方法と言えます。