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長い人生において、したくはなくてもせざるを得ない局面が出てきてしまうのが「お金を借りること」ではないでしょうか? つまりは借金・債務。土地の購入や住まいの建築・購入、マイカーの購入など借入を前提とした買い物や緊急の医療費、失職中の生活費、結婚式が多く重なるタイミングなど、人生において「お金を借りる」という局面は枚挙にいとまがありません。

 

もちろん、前提として計画的かつきれいに返済することが理想ですが、借りたその後に何が起こるか分からないのも人生です。不測の事態に遭遇し、返済計画が狂い、返済が困難あるいは不能になるケースも十分に想定できます。

 

現在、債務がある方はもちろん債務が無い方も知っておいて損はない債務整理の方法。今回はその債務整理方法の一手段である「特定調停」をご紹介します。

 

特定調停!知って安心記事一覧

債務の整理方法には現在、「特定調停」「任意整理」「個人再生」「自己破産」と主に4つの方法があります。それぞれおおまかに紹介すると、「特定調停」は債務者が裁判所へ特定調停を申し立て、裁判所が債務者と債権者の間に入り、借入額の減額や返済方法を調整し、生活の立て直しを目指します。「任意整理」は弁護士や司法書士に債務整理を相談、依頼し、その弁護士や司法書士が裁判所を介すことなく直接、債権者と交渉をして、借...

上で述べたように債務整理の方法は「特定調停」「任意整理」「個人再生」「自己破産」の4つの方法がありますが、債務整理を検討するときにどの方法を選択するかの目安は下のようになります。■債務金額の多寡で選択する債務の整理方法を選ぶ際に、借入している金額によって採る方法が変わってきます。一般的には返済可能額の3年分、月にすると36カ月分より借入総額が多いか少ないかが目安となります。月々の返済可能な金額の3...

今回、紹介する「特定調停」をざっくり言うと、「借金があり、その返済が今後不可能になりそうなので、生活の立て直しのために、裁判所に間に入ってもらい債権者に対して借金の減額や返済方法を調整してもらう法的手続き」となります。この制度と「任意整理」とは、債務の減額や返済方法の調整という目的などで、共通する部分は多いですが、大きな違いは「裁判所を利用するかしないか」と「自分で申し立てをするか、弁護士・司法書...

特定調停のメリットは多く、以下に挙げると、債務返済の困難が予想される場合は個人・法人を問わず幅広く利用できること。利息率の再計算により、債務の総額や月々の返済額を減らすことができること。調停により決定された返済額への利息は付かないこと。申し立てから調停が終わるまでの期間は返済する必要は無く、取り立て行為も出来ないこと。借金の内容を問わず利用できること。手続きの費用も他の債務整理手段に比べて格段に安...

一方、特定調停のデメリットとしては、信用情報機関のリスト、いわゆるブラックリストに5年間登録され、一定期間の借入が出来なくなること。債権者を調停に応じさせる強制力がないこと。債務の減額に際し、「グレーゾーン金利の適用」など、正当な理由が無ければ調停が不成立となる場合もあり、その際は別の債務整理手段を取らなければならなくなる場合があること。弁護士や司法書士などの代理人でなく、当事者自らが手続きを行い...

先程の「特定調停のメリット」で触れた、債務総額の減額や返済額が減額される理由として、近年話題となった消費者金融会社に代表される貸金業者特有の利息、いわゆる「グレーゾーン金利」の撤廃が挙げられます。グレーゾーン金利とは、利息制限法を超えるが出資法までは超えない利息のことを言います。このグレーゾーン金利は、貸金業法の「みなし弁済規定」があることで発生していました。みなし弁済規定とは、「債務者が任意に支...

特定調停は、簡易裁判所へ申し立て手続きを行うことで利用できますが、このときに注意する点としては、申し立ては債権者の所在地を管轄する簡易裁判所に申請するということです。例えば、債務者が東京に住んでいる場合でも債権者の所在地が神奈川なら、神奈川県の簡易裁判所に申し立てをする必要があります。なので、申し立てをする場合は債権者の営業所などの住所を調べなくてはなりません。また、申し立ての際に事前に問い合わせ...

債務者からの特定調停の申し立てがあると、簡易裁判所が指定した期日に簡易裁判所から任命された調停委員が、債務者の生活実態や収入状況、今後の返済計画などについての事情聴取を行い、その後、簡易裁判所が指定した別の期日に再度調停が行われます。調停では債権者の意向も聴いた上で、債務をどのように返済していくことが公正かつ妥当で経済的にも実現可能なのかを調停委員の仲裁のもとで調整していきます。上記の手順での調停...

特定調停手続きのおおまかな流れは前述した通りですが、ここではその流れに沿ってもう少し詳細をご説明します。■特定調停申し立ての準備債務者が特定調停を管轄の簡易裁判所へ申し立てるにあたっては、「特定調停申立書」を始めとする必要書類を揃え、提出する必要があります。必要な書類としては、「特定調停申立書」「財産の状況を示すべき明細書(家計表や収入明細など)」「関係権利者一覧表(債権者の一覧)」などの書類が必...

前述の「特定調停手続きの詳細」でも触れましたが、特定調停に必要となる書類と費用について詳細を整理してみましょう。■特定調停の必要書類申し立てに必要となる書類は、以下になりますが、簡易裁判所によって異なりますので事前に確認された方が良いでしょう。下記は東京簡易裁判所の場合になります。【特定調停申立書】簡易裁判所に申し立てを申請する書類です。債務者及び債権者の住所や連絡先、債務額等を記入します。この申...

今までご説明した特定調停の概要や手続き手順等を踏まえて、ここでは具体的なケーススタディ、仮のお話として、架空の人物である借金(カリガネ)さんの多重債務状態から特定調停の申し立て、調停完了までのケースをご紹介します。なお、ここで挙げる具体例は、架空の人物、ケースであり、あくまでも特定調停を分かりやすく解説するためのフィクションですので、その点ご留意ください。■多重債務で借金スパイラル「まずいな。これ...

立派な多重債務状態でも、元々、根は真面目なカリガネさん。毎月の返済の遅延はありませんでした。契約社員で転職が多いという不安定な状況のなか、主に次の就職先を探す期間の生活費として借入を重ねていました。月々の返済はしっかりと続けていましたが、減るのは利息分のみで借入金元本はいっこうに減って行きませんでした。しっかりと返済は続けているため、消費者金融会社から督促などはありませんでしたが、このような状態で...

特定調停の申し立てを決意したカリガネさん。まず、考えることは「どこの簡易裁判所に申し立てるか」です。申し立ては対象となる消費者金融会社の店舗所在地を担当する簡易裁判所で行うということ、また複数の債権者を申し立てる場合は一つの簡易裁判所でまとめることができるということなので、結局4社中3社の契約店舗がある隣の市の簡易裁判所に申し立てることにしました。自宅からそれ程離れていないので便利とも考えました。...

簡易裁判所へ申し立てをしてから数日、カリガネさんは律儀にも特定調停を申し立てた旨を消費者金融会社へ連絡することを思い立ちました。消費者金融会社へは、申し立てが受理された後に簡易裁判所から消費者金融会社へ申立書と、申立受理通知を郵送するという形で連絡されます。また、その時に申し立て人、つまりカリガネさんとの間の金銭消費貸借契約書や取引履歴に基づく利息制限法の制限利率による引き直し計算の提出を依頼して...

申し立ての日から1週間後に簡易裁判所から「調停期日呼び出し状」なるものがカリガネさんのもとに届きました。それによると最初の調停日は今日から約2週間後。ついに調停の日が決まり、現実感が湧いてくるのと同時に、「これで返済の目途が立つ」との思いにもなりました。会社へは、どうしても外すことのできない私用ということで今月2日間程休む旨を伝えました。2日と言ったのは、特定調停には最低2日はかかるとのことからで...

特定調停の事情聴取日から10日後、この日は2回目の調停日、予定通りだとこの日ですべてが決まります。「ついに泣いても笑っても調停最終日。今日で辛い借金ロードも終わりにしたい。もう少しだ。でも消費者金融会社の担当者と直接会うかもしれないからな〜。怖いな〜。と言うか納得してくれるのか〜?」調停前からネガティブ思考で、いつの間にか借金も完済しているつもりのカリガネさん。ちなみに昼食は験を担いでかつ丼でした...

カリガネさんのケーススタディも含めて、今までご説明してきた特定調停の内容についてはいかがでしたか?どのようなものかある程度は把握出来たと思いますが、改めて特定調停の概要や手続きについてのおさらいをしてみましょう。■特定調停の概要特定調停とは、債務の返済が出来なくなる恐れのある債務者の経済的な再生を図るため、債務者と債権者の間に裁判所が入り、債務者が負っている債務の額や返済方法を調整する法的手続きの...

最後に特定調停のポイントのおさらいです。特定調停の特徴として以下が挙げられます。■比較的利用しやすい特定調停は債務の原因を問わないので、ギャンブルや浪費などが債務理由でも利用できます。そして、個人、個人事業主、法人も問わず申し立てをすることができます。申し立て手続きも法律の知識がなくても問題なくでき、さらには申し立てにかかる費用も安いという特徴を持つ特定調停は、一定の収入のあることが前提ですが、誰...

さて、今まで特定調停について、概要から特徴、手続きの流れ、必要書類・費用、他の債務整理方法との違い、具体的なケーススタディと多岐に渡り、ご説明してきました。これで特定調停についてのご説明は終わりになります。ここまでお読みくださってありがとうございます。冒頭に「長い人生において、したくはなくてもせざるを得ない局面が出てきてしまうのが『お金を借りること』ではないでしょうか?」と述べましたが、このことは...